ME技術センターを拠点に、育成支援体制をさらに強化

マイスターエンジニアリンググループ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:平野大介、以下「当社」)は、半導体分野における実践型研修プログラムを新たに構築し、本格的な運用を開始しました。
本取り組みは、2025年5月に発表した人財育成プラットフォーム構想の具体施策として位置づけられるものであり、装置導入にとどまらず、育成支援体制を実際に機能させることを目的としています。
背景:半導体業界の動向を踏まえた、現場配属前の基礎力定着を図る人財育成の重要性

世界的な半導体需要の高まりを背景に、安定供給に向けた生産体制の強化や国内回帰の動きが進んでいます。国内においても製造拠点の拡大や設備投資が続く一方で、半導体分野を担うエンジニアの確保・育成は、引き続き重要な課題となっています。
こうした状況の中、半導体業界では教育が現場でのOJTに依存しがちであることに加え、業務負荷や作業時間、安全面の制約から、体系的な教育を十分に実施しにくいという課題が存在しています。
当社では、これらの課題に対応するため、ME技術センターへの実機導入や教育環境の整備を通じた人財育成体制の構築を進めるとともに、「現場で使える知識・技能を、現場に出る前に身につける」ことを重視し、装置導入を起点とした研修コンテンツの具体化に取り組んでまいりました。
実機を活用した狭所作業・精密作業に特化した研修設計
半導体製造装置の保守・点検業務では、狭い空間での作業や精密部品の取扱いなど、高度な技能と十分な安全配慮が求められます。しかし、現場では作業時間や安全確保の観点から、十分な教育機会を確保することが難しい場合も少なくありません。
今回構築した研修プログラムでは、ME技術センターに設置した実機を活用し、狭所作業に伴うリスクや作業特性を事前に理解したうえで、安全かつ確実な作業手順を習得できる教育環境を整備しました。
座学だけでなく、現場に近い環境で学ぶ実践型プログラム
本研修は、座学による基礎理解、現場での作業説明、実機を用いた実技演習を段階的に組み合わせた構成としています。特に、半導体ウエハを搬送する重要なメカニカル機構を題材としたプログラムでは、作業手順や工具・部品の取扱いに加え、作業姿勢や動線、ヒューマンエラー防止といった観点も含めた実践的な教育を行います。
作業前のクリーンスーツ着用から、KY(危険予知)やリスクアセスメントまで、実際のフィールド業務を想定した一連の流れを体験的に学ぶことが可能です。

狭所・精密作業における注意点の可視化
実際に研修で行う作業はオーバーホール工程の一部ではありますが、クリーンルーム内において狭所となる装置内部での作業環境や、クリーンスーツ・ゴーグルを着用した状態での作業は、想定以上に制約を伴います。
また、重量のある部品を保持しながら、足元の段差や周囲への接触に注意して作業を行うことは容易ではありません。工具の取り扱いに加え、繊細な装置部品を損傷・紛失させないための十分な配慮も必要となります。
研修では、各工程を「使用工具の準備」「取り外した部品の置き場確保」など、具体的な作業レベルに分解し、それぞれの注意点を明確にしています。

講師によるポイント解説とフィードバックを通じた学習
作業工程においては、慣れない環境下で生じやすい姿勢の悪化、動作制限、視界不良といった点について、講師が適切にフィードバックを行いながら、現場に近い実践環境で学ぶことができます。あわせて、実際の現場で想定される危険に対する回避行動についても習得します。
これらのプログラム構成により、未経験者や若手技術者であっても、現場に近い環境で保守業務を学ぶことができ、配属後の早期立ち上がりを支援します。従来は現場経験に依存していた知識や技能を、安全かつ計画的に習得できる環境を実現しています。
本研修は単体施策ではなく、当社が進める人財育成プラットフォームにおける中核的な支援機能として位置づけています。
今後は、現場と連携しながら研修内容の継続的なアップデートを行うとともに、各種メーカー装置との組み合わせによる複合研修なども視野に入れ、育成支援体制のさらなる充実を図ってまいります。当社は、ME技術センターを拠点とした実践的な人財育成を通じて、半導体産業の持続的成長と、日本のものづくりを支える技術者の育成に、引き続き取り組んでまいります。
関係者のコメント
■半導体関連フィールドエンジニア配属予定社員(飲食関連業から転職)
本日午前の研修で、初めてクリーンスーツを着用しました。一人で着用すること自体が難しく、作業中にゴーグルが曇り、手元が見えにくくなることや、ワイプを都度交換する必要があるなど、実作業以前に慣れるべき点が多くあると感じました。
装置内部は想像以上に狭く、足元の段差に注意しながら出入りするのは大変でしたが、現場に出る前に体験できたことで安心感が得られました。今回、作業全体では確認をしながらではありましたが、3時間ほどかかってしまいました。慣れたエンジニアは1時間弱で完了してしまうと聞き、驚きました。実際の現場で作業時間を短縮できるよう、改善を重ねていきたいと考えています。
■取締役 メカトロ事業部長 福冨 弘敦
半導体業界は、現代社会の基盤技術を支える極めて重要な産業です。当社がこの分野で果たすべき役割は、単なる装置対応にとどまらず、将来の製造業や社会インフラを支えるエンジニアの力を創出・供給することにあります。本研修は私自身も体験しましたが、作業フローだけでなく、非常に狭い環境での作業には慣れが必要であり、配属前に同等の環境で実践できることは、エンジニアにとって大きな支えになると感じています。今後も加速する半導体需要に対応すべく、人財育成を軸とした戦略的な取り組みを進めてまいります。
関連情報
< メカトロ事業部について >
当社は、「技術パートナー事業」と「ファクトリーオートメーション事業」の2本柱を通じて、日本の製造業を幅広い技術力で支えています。
「技術パートナー事業」では、半導体、重電機器、産業プラント、医療、自動車関連など多様な業界に向けて、フィールドエンジニアリング、機械・電気設計、生産技術エンジニアリング、組み込みソフトウェア開発などを提供。各種メーカー企業にとって信頼される技術パートナーとして、現場に密着した高品質なサービスを展開しています。
「ファクトリーオートメーション事業」では、主に食品業界を中心に、画像検査技術をコアとした自動化ソリューションを提供。高度な画像認識技術とAI活用力を強みに、検査装置の設計・製作から据付、メンテナンスまでをオーダーメイドで対応し、お客様の生産性向上と品質管理を支援しています。
マイスターエンジニアリンググループでは人財育成活動の一環として、大規模研修施設、研究施設を備えたME技術センターをちばリサーチパーク内(千葉県佐倉市)に設けています。研修講義室や宿泊施設の他、研修設備として大手メーカーPCSを導入しての共同研修やプラントデモ機などグループ各社の研修ニーズに応じた設備導入等も行っており、実践的な研修を構築可能です。また、この最先端施設は、自社グループの人財育成のみならず、業界の垣根を越えて産官学が協働で人財育成を推進できるようオープンプラットフォーム化を進めています。
-イキイキと働く未来に向けた、共創型「人財育成オープンプラットフォーム」運営を目指して。
少子高齢化による生産年齢人口の減少が確実に進む中、重電機器や都市土木・防災設備などのインフラ、半導体・自動車をはじめとする産業技術における「社会が成立するための前提条件」の安定稼働と進化を支えるエンジニアの育成は、重要な課題です。マイスターエンジニアリンググループは、業界の垣根を越えて、産官学が協働して人財育成を推進できるよう、エンジニアの採用・教育と、培った技術を発揮し成長する機会の拡大・提供に積極的に取組んでまいります。


